肩こり ツボ
ネットで検索するとたくさんの記事が出てきます。
肩こりでお悩みの方は一度は検索したことのあるワードかもしれません。
そして鍼灸師や柔道整復師、整体師として治療されている方も患者様への説明の中で使いやすいためによく使うワードではないでしょうか?
この「ツボ」という概念はどのように生まれてきたかご存知でしょうか?
また現代ではどのような定義をもっているものかご存知でしょうか?
日々の臨床で他のセラピストとの差別化を図るため今回はツボの歴史を紐解きます。
ツボは身体の痛みを楽にしてくれる他の部位とは異なる場所
古代からツボは身体の痛みを楽にしてくれる他の部位とは異なる場所という認識があったようです。
「明日の狩りで獲物を捕まえられなかったら家族は飢え死にしてしまう。でも腰が痛くて思うように動けない。太郎!(子供の名前)ちょっと腰を踏んでくれないか!もうちょっと右!いや左!あっそこそこ!!」このようにツボは痛みを解消してくれる他の部位とは異なる特別な場所。
腰痛の痛みの原因部位だという認識があったように思います。
そしてここで注目すべきポイントは…
治療の主導権は受け手(患者)にあったということです。
受け手にしか腰痛に関係のある部位を判断することはできません。
痛みの治療の原点は受け手にあったのです。
この頃から治療を職業としていた人がいたのではないかと思います。
身分の高い人を治療する使用人という立ち位置でしょう。
治せないと自分の命はない…
しかし安定した治療効果を出す技術がない…
どうしよう、どうしよう…
受け手に治療の主導権を握らせない方法はないものか…
ここで生まれたものが陰陽五行論ではないかと推測します(あくまでもこれは僕の考えです、すみません)。
この時点で痛みを解決できるツボの存在は消え、宗教的ツボが生き続けることとなります。
米国医師トラベル
その後、米国の医師ジャネット・トラベル氏のおかげで痛みを解決するためのツボが再発見されます。
トラベル氏は世界各地で「押したら痛みが止まる場所」が報告されていることに着目しました。
文化や人種、歴史を超えて存在するツボには何か共通する原理があるのではないか。そこからトラベル氏は「トリガーポイント」と名付けた痛みの引き金となるポイントが筋硬結の中に存在すると発表しました(ツボとトリガーポイントは別物としてトラベル氏は捉えていましたが…)。
トリガーポイントの理論化
しかしトラベル氏の理論には多くの矛盾が存在します(詳しくは別の機会に)。
この多くの矛盾を解決し科学的根拠をトリガーポイントに持たせたのが
関西医療大学教授である黒岩 共一氏です。
黒岩氏はトリガーポイントを
「過敏化された機械受容器」と説明しています。
このようにツボは3回発見されています。
簡単で使いやすいツボという言葉にはこのような歴史があり
また現代では科学的根拠を持っています。
なぜ鍼やマッサージをするとコリ・痛み・痺れ感が解決するのか。
メカニズムを理解することなく、またその事実に何の疑問を抱くことなく臨床で何人の患者に接してもそれは意味のない時間、患者にとっては迷惑な時間かもしれません。
自分の思う理想のセラピストになる為にこれからも私は学び、経験し、知識・技術に磨きをかけていきます。
少しでも皆様のお役に立てる情報を提供できるよう精進して参ります。